プロ野球いろいろ速報

超異例の契約内容だ。前米大リーグ、レンジャーズの藤川球児投手（３４）が８日、高知市内で野球の独立リーグ、四国アイランドリーグｐｌｕｓ・高知の入団会見を行った。
背番号は１１。無報酬に加え、過去に例のない「１試合ごと」という契約で、同リーグの鍵山誠ＣＥＯ（４８）らは
今季中（７月３１日期限）の日本野球機構（ＮＰＢ）復帰を全面バックアップする方針。
また入団を断られた古巣・阪神は、今季中は静観の見込みだ。

県内随一の高級旅館に高らかな誓いが響いた。１００人近い報道陣と約２０台のテレビカメラの前でほとばしる思い。
藤川が高知と“男気契約”を結び、故郷に凱旋した。

「自分の決断で一番大事なことは迷わない、後悔しない決断をすることです。
そういう中で、新しい人生のスタートとして最高の決断ができたかな、と。日々努力していきたいと思います」

幼少期からＧ党。憧れの斎藤雅樹（現巨人１軍投手コーチ）の現役時代と同じ背番号「１１」に袖を通し、笑みをこぼした。
だが驚くべきは、阪神時代に４億円の年俸を稼いだ男の条件面だ。

契約金もなければ、一般的な選手の月１０万円の報酬もない。
しかも、登板する度にサインを交わす、１試合単位の契約になる。
逆に言えば、いつでもユニホームを脱ぐことが可能。
高知球団側が提案したという、この独立リーグ初のサプライズ契約は、７月３１日を移籍期限に定めるＮＰＢへの今季中の復帰を後押しするウルトラＣだった。

「晩年のロジャー・クレメンス投手がそう。日本にその選択肢がなかった中、こういう選択肢があるんだと行動で示してくれた歴史的な１歩。
我々独立リーグが（ＮＰＢとの）間をつなぐ役割になれれば」と四国アイランドリーグｐｌｕｓの鍵山ＣＥＯ。
大リーグ通算３５４勝を挙げ、１２年には米独立リーグで復帰した大投手を例に、全面バックアップを約束すれば、
高知の梶田宙（ひろし）球団社長（３２）も「上の世界で活躍してほしい。ここで終わる選手じゃ絶対にない」と猛プッシュする考えだ。

右腕の初陣は２０日の香川・徳島連合チームとのオープン戦（高知）に決定。
先発し、２イニング程度を投げる見込みだ。
無給の代わりに、本人の意向で登板試合は興行にして、チケットの売上金の１０％を児童養護施設に寄付するという。

前日７日には高知市内から車で１時間ほどの距離にある越知町の本拠地で全体練習に参加。
「３イニング分の投球練習をして、捕手との意思疎通をしました」。実戦登板には複数のＮＰＢ球団が訪れる可能性が高い。
破談したばかりの阪神への今季中の復帰はほぼないが、投球次第で他球団からオファーが届くことも十分、考えられる。

「プレーしていく中で（ＮＰＢ球団から）必要だと言ってもらえることがあれば、しっかり話を聞きたい。
高知県民は『たっすいがは、いかん！（弱々しいのはダメ）』という気質がある。結局、自分も高知の人間だと感じています」

愛する家族との生活を優先し、踏み出す第３の野球人生。
尊敬してやまない坂本龍馬のように、常識を打ち破り、土佐から日本の野球界に“維新”を起こす。　（小松真也）

★今後の予定

高知球団は公式戦がない６、７月に積極的にオープン戦を組む予定。
２０日の香川・徳島連合チーム戦（高知）を皮切りに２７日には愛媛マンダリンパイレーツ（同）との試合を組んでいる。
７月は未定だが、週に１回のペースで実戦を入れていく算段。後期のリーグ戦は８月１日から始まる。

高知ファイティングドッグス

プロ野球独立リーグ、四国アイランドリーグｐｌｕｓに所属する高知県の野球チーム。
本拠地は高知市営球場。弘田澄男監督。
５月３１日に終了した前期リーグは４チーム中４位（１２勝１７敗５分け）。
後期リーグは８月１日に開幕する。藤川の兄・順一氏がＧＭを務めていた時期もある。

http://www.sanspo.com/baseball/news/20150609/bbo15060905050004-n1.html
地元・高知で再出発を誓った藤川。仰天の契約内容も発表された

日雇いｗ